2024年3月8日(金)国際女性デーに、Fellne初となるイベントを開催しました。
Fellne FESレポート第二弾として、セミナー編をお届けします。
今回のセミナーでは、現代の働く女性の健康課題とキャリア、働く環境にフォーカスしたコンテンツ提供を意識したことが特徴となっております。
ゲスト講師に、さんぎょうい株式会社 堀川さゆり氏/ジャーナリスト 増田美加氏/ジャーナリスト・相模女子大学大学院特任教授 白河桃子氏をお招きし、講演いただきました。
働く女性の乳がんを知る

乳がんは日本女性が最もかかりやすいがんですが、死亡率は高くはありません。早期に発見されれば、約90%以上が治るがんだからです。
女性活躍推進法が施行されて8年。乳がんは40代~60代の女性で、社会や家族から必要とされる忙しい世代の女性に多発しています。日本女性の乳がん検診受診率は約45%(欧米は70-80%)で、子育て・介護・仕事と忙しく、男性に比べ、検診に行きにくい職場や社会環境であることが要因のひとつであるといわれています。
40歳以降は2年に一度、マンモグラフィ検診を受けることが基本ですが、高濃度乳房の兆候が見られる人は超音波検査を併用し、血縁者に乳がんや卵巣がんの方が複数いる場合は乳腺外科を受診するべきです。有効性評価に基づく5大がん検診はエビデンスの高い検診ですが、自治体の裁量で検診内容が異なることがあります。乳がんを早期発見するためには、乳がん検診を年代にあわせ、科学的根拠のある検診をうけることと、ブレストアウェアネス(乳房を意識する生活習慣)を日常生活の中で行うことが大切です。
早期に発見し、治療できれば、乳がんは乳房も命も失いません。生きて生活していく人生設計に寄り添ってくれる医師が日本にはたくさんいます。乳がんの標準治療は最先端の治療で、エビデンスが高いのは保険適用の治療です。国立がん研究センター「がん情報サービス」の情報(https://ganjoho.jp/public/ )が信頼できる情報です。信頼性の低い誤った情報に惑わされないようにしましょう。
乳がんは支援や制度が他のがんに比べて充実しており、早期に発見できれば働きながら治療ができます。がんになっても絶対すぐに仕事をやめたりせず、正しい知識とヘルスリテラシーを高めることが重要です。
更年期を企業としてどう取り組むのか

なぜ今、企業において更年期対策が必要なのでしょうか。更年期を含む女性特有の健康課題は、業務効率や就業継続にも大きな影響を与えますが、企業の対策は遅れているのが現状です。しかしこの健康課題について経営者が十分に理解し、職場環境などを適切に整備することで、改善が期待されるテーマでもあります。人材確保のためにも、企業の対策が必要となってきています。
女性の更年期は、閉経前後の10年間のことを指します。生理のある年齢から更年期の年齢まで働き続ける女性が増えた現代において、家庭のみならず職場でも健康課題が浮き彫りになってきています。
健康課題に対する企業の支援状況としては、女性従業員側の支援ニーズが大きい一方、企業側が 「ニーズを把握しづらく何をすべきか分からない」というミスマッチが生じています。このミスマッチは企業だけの問題なのでしょうか。
女性の更年期症状としては、ほてり、めまい、冷え性、不眠、頭痛などがありますが、全部で200種程度あり、人によって様々です。更年期の症状で仕事に支障が出ている人もいますが、ほとんどの人が薬を飲むなど何らかの対応をして仕事をしたり、特に何も対応せず仕事をしています。更年期症状で休みたいときに、その理由を職場に伝える女性は多くありません。更年期は一般的に老化や衰えの象徴として捉えられることがあり、また自分自身が更年期の症状を認めることで、老化していると感じることや他人からの否定的な見方を恐れることがあります。支援を求めているにもかかわらず、女性自身が未受診のままで自分の身体をきちんと理解できていない、そしてその課題を職場にオープンにしづらいという状況がうかがえます。
企業としては、管理職やリーダーが率先して従業員の健康課題を理解し行動を起こすこと、そしてフレックスや休暇制度、業務分担の見直しなど、相談しやすい・休みやすい環境を作ることが必要です。女性自身も、仕事に影響が出ないよう対策をとるべく病院へ行き、自分の健康を見直すということが必要でしょう。
女性の活躍とキャリア形成 多様性の第一歩

女性活躍とは女性の為ではなく、すべての人が働きやすく、やりがいのある職場で働くことの全員活躍の通過点に過ぎません。ジェンダーギャップ指数というのは、経済の問題でもあります。なぜ多様性が求められるかというと、同質性はグループシンク(集団浅慮)の原因となり得ます。合意に至ろうとするプレッシャーから、集団において物事を多様な視点から批判的に評価する能力が欠落する傾向のことを意味し、様々な研究や防止策が論文になっています。
また、多様性があるだけでは駄目で、集団に心理的安全性があることも大切です。心理的な安全性のある職場とは、ぬるい職場のことではなく、実は、誰もが挑戦できる厳しい職場でもあります。失敗しても次に生かせる環境、質問をしてもその人の意見を誰も拒絶したり、ばつを与えるようなことをしないという安全性の下にチームがいれるかどうかというところが、会社のパワーになるわけです。
柔軟性のある働き方というのがどんどん進んできて、働き方の多様性もコロナの後に、少しずつ実現してきました。昨今はワークライフバランスを取りながら働きたいという希望が多く、さまざまな制度がつくられ、制度を使う人が増えてきています。ところが、例えば時短制度利用をしていない周りの人に、すごく負荷がかかってるという実態があります。なので、次は会社からの評価制度や手当てでしっかり報いるというところが重要になってくると思います。
この変化の激しい時代、私たちが身に付けなければならないのは、変化対応力なのです。変化対応力というのは、好奇心、学び続ける習慣、チャレンジする力、この3つです。多様な役割をこなすこと、多様で変化に富んだ職場体験をすること、多様な人と交流することが、すべて変化対応力に繋がります。